ANAと三井住友カードが提携し発行しているのが、ANAワイドゴールドカードです。
このANAワイドゴールドカードですが、2021年〜2022年にかけて改悪が続き、発行する価値がないのではないか?と一部では囁かられています。
この記事では、なぜ価値がないと言われているのか、実際のところ本当に発行する価値がないのかなど、ANAワイドゴールドカードのメリット・デメリットなどを解説します。
結論から申し上げると、残念がらANAワイドゴールドカードは現状発行する価値がほとんどありません。
ぜひその理由について、この記事で分かりやすく解説します。
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おすすめのANAカードについては、以下の記事でまとめています。
ANAワイドゴールドカードは改悪して発行する価値がない?
はじめに、2021年〜2022年にかけて行われたANAワイドゴールドカードの度重なる改悪について、具体的に何が起こったのかを解説します。
2022年8月の改悪:マイ・ペイすリボ終了(VisaとMastercard)
マイ・ペイすリボとは、一回払いの利用が自動でリボ払いになるサービスです。
毎月の支払金額を一定にすることで、収支計画が立てやすくなるといった特徴があります。
ANAワイドゴールドカードでは、2022年8月までマイ・ペイすリボを利用した決済に対しては、ワールドプレゼントポイントが付与される特典が用意されていました。
ワールドプレゼントポイントは1,000円=1ポイントの付与が行われ、1ポイント=3マイルで交換ができます。
そのため、マイ・ペイすリボでの実質マイル還元率は1.3%と通常の決済よりも高レートで還元が行われていました。
還元率の高いサービスが無くなってしまったため、改悪の一つと言われています。
2022年10月:旅行傷害保険が利用付帯に変更
ANAワイドゴールドカードには、旅行中の事故や病気の際の治療費などを補償する旅行傷害保険が付帯されています。
2022年9月末までは、カードを持っているだけで事故等の際に、保険金を受け取ることが可能でした。
2022年10月以降については制度変更により、ANAワイドゴールドカードで旅行代金等の支払いを行っている場合のみ補償の対象と改悪が行われています。
保険の用語では、自動付帯から利用付帯に変更と呼ばれています。
具体的に旅行代金等に含まれる支払いについては以下のようなものがあります。
細かいルールを覚えるの大変なため、旅行に関する支払いはANAワイドゴールドカードにまとめるといった運用がおすすめです。
海外旅行の場合
- カードでSuicaやPASMOなどにチャージして、空港に向かう交通費を支払った場合
- 空港に向かうための新幹線、リムジンバス、タクシー代などをカード決済した場合
- 旅行地に向かうための航空券をカード決済した場合
- 宿泊+交通手段のパッケージツアー代金を合算でカード決済した場合
- 現地で電車、バス、タクシー代などをカード決済した場合
国内旅行の場合
- カードでSuicaやPASMOなどにチャージして、旅行地に向かう交通費を支払った場合
- 旅行地に向かうための新幹線、バス、タクシー代などをカード決済した場合
- 宿泊するホテル、旅館の宿泊代金をカード決済した場合
- 旅行会社が企画するパッケージツアー(宿泊代金を含むもの)の代金をカード決済した場合
参考:提携カードに付帯する海外・国内旅行傷害保険の適用条件改定に関するお知らせ|クレジットカードの三井住友VISAカード
2021年1月の改悪:支払いに応じたボーナスポイント終了
2021年1月までは、年間の買い物累計金額や獲得ポイントに応じてボーナスポイントが獲得できるプログラムが用意されていました。
こちらのプログムについては現在代替の制度等は用意されず、完全に廃止状態です。
以下が実際に付与されていたポイントの一覧です。V1〜V3のステージに合わせてポイントが付与されるため、決済金額の多い方であればあるほどお得なプログラムであったことがわかります。
2月〜翌年1月までのお買い物累計金額 | ステージ | ボーナスポイント | |
---|---|---|---|
300万円以上 | V3 | 50万円到達時 1,500ポイント | 以降10万円ごとに 300ポイント |
100万円以上 300万円未満 | V2 | 50万円到達時 750ポイント | 以降10万円ごとに 150ポイント |
50万円以上 100万円未満 | V1 | 50万円到達時 500ポイント | 以降10万円ごとに 100ポイント |
ANAワイドゴールドカードの基本情報
項目 | Visa / Mastercard | JCB |
---|---|---|
デザイン | ||
年会費 | 本会員:15,400円 家族会員:4,400円 | 本会員:15,400円 家族会員:4,400円 |
ポイント還元率 | 200円=1ポイント(0.5%) | 1,000円=1ポイント(0.1%) |
マイル還元率 | 200円=2マイル(1.0%) | 1,000円=10マイル(1.0%) |
ANA航空券購入のマイル還元率 | 100円=2マイル相当 | 100円=2マイル相当 |
海外旅行傷害保険 | 最高5,000万円 | 最高1億円 |
国内旅行傷害保険 | 最高5,000万円 | 最高5,000万円 |
国内航空傷害保険 | 最高5,000万円 | 最高5,000万円 |
ショッピング補償 | 年間300万円まで | 海外:年間最高500万円 国内:年間最高500万円 |
カード利用枠 | 50〜200万円 | 公式サイトに記載なし |
リボ払い・分割払い利用枠 | 0〜200万円 | 公式サイトに記載なし |
お支払日 | 15日締め翌月10日払い | 15日締め翌月10日払い |
ANAワイドゴールドカードには、VisaとMastercard、JCBと3つ国際ブランドがあり、一部特典やサービスが異なります。
それぞれの違いにも注目しながら、特徴を紹介します。
国際ブランド
冒頭でも解説した通り、ANAワイドゴールドカードにはVisa・Mastercard・JCBの3つの国際ブランドが用意されており、好きなものを選択できます。
Visa・MastercardとJCBでサービスや保険の内容が異なるため、カード選びの際には注意をしてください。
年会費
年会費については3つの国際ブランドすべて共通で、本会員が15,400円、家族会員が4,400円です。
ひと月あたりで計算をすると約1,283円の支払いとなるため、そこまで大きな負担を感じることのない金額です。
またANAワイドゴールドカードでは、マイ・ペイすリボに設定のうえ、年1回以上リボ払い手数料の支払いがあれば、年会費の割引を受けることも可能です。
割引後の価格については、以下の通りです。
会員種別 | 年会費(通常価格) | 割引価格 |
---|---|---|
本会員 | 15,400円 | 11,550円(3,850円割引) |
家族会員 | 4,400円 | 2,750円(1,650円割引) |
マイル還元率
マイルの還元率は日々のお買い物の場合、どの国際ブランドを選んでも共通の1.0%です。
ただし、基準となる金額が異なっている点については注意が必要です。
Visa / Mastercard | JCB |
---|---|
200円=1ポイント=2マイル | 1,000円=1ポイント=10マイル |
還元率1.0% | 還元率1.0% |
VisaとMastercardであれば、200円単位でマイルが獲得できるため、少額の買い物が多い方でも無駄なくマイル加算が実現できます。
またANAの航空券を購入する際は、100円=2マイル相当の2.0%と高還元率を提供しています。
JCBのみ最大1.075%
JCBのみ、年間の決済額でボーナスポイントをもらえるため、マイル還元率がアップします。
年間利用額が年間50万円からボーナスポイントが付与されて、年間300万円のカード利用をすると、マイル還元率は1.075%になります。
ボーナスマイル
ANAワイドゴールドカードでは、入会時、カードの更新時、飛行機を利用する際に、ボーナスマイルの付与を行っています。
実際に獲得できるマイルは以下の通りで、入会時・カード更新時に2,000マイル、フライト利用時には通常のマイルに25%が加算されます。
項目 | ゴールドカード | 一般カード | プレミアムカード |
---|---|---|---|
入会ボーナスマイル | 2,000 マイル | 2,000 マイル | 10,000 マイル |
継続ボーナスマイル | 2,000 マイル | 2,000 マイル | 10,000 マイル |
フライトボーナスマイル | 25% | 25% | 50% |
上記の表を見ていただいて分かる通り、ANAワイドゴールドカードと一般カードではボーナスマイルの加算が同じである点はマイナスのポイントです。
より多くのマイルを獲得するためには、プレミアムカードへ申し込みを行う必要があります。
ANAワイドゴールドカードの特典
ANAワイドゴールドカードで利用できるおすすめの特典について紹介します。
充実の旅行傷害保険
ANAワイドゴールドカードには、利用規定については付帯保険へと改悪が行われたものの、補償内容については充実した旅行傷害保険が用意されています。
補償内容については、国際ブランドで異なり、より高い補償を求めるのであればJCBカードがおすすめです。
海外旅行の場合は最高1億円、国内旅行では最高5,000万円の補償を受けることが可能です。
また国内旅行では国内航空便遅延保険も利用可能で、航空機の遅延や欠航、手荷物紛失の際にも補償を受けることができます。
各旅行傷害保険の詳細は以下の通りです。保険に関しては利用の際に規定が多数設けられているため、詳細については下記のリンク先も合わせてご確認をお願いします。
参考:付帯保険・その他|ANAカード|ANAマイレージクラブ
海外旅行傷害保険
担保項目 | Visa / Mastercard | JCB |
---|---|---|
傷害死亡・後遺障害 | 最高5,000万円 | 最高1億円 |
傷害治療費用 | 150万円 | 300万円 |
疾病治療費用 | 150万円 | 300万円 |
賠償責任 | 3,000万円 | 1億円 |
携行品損害 | 1旅行中50万円 保険期間中50万円限度 | 1旅行中50万円限度 保険期間中100万円限度 |
救援者費用 | 100万円 | 400万円 |
国内旅行傷害保険・国内航空便遅延保険
担保項目 | Visa / Mastercard | JCB |
---|---|---|
傷害死亡・後遺障害 | 最高5,000万円 | 最高5,000万円 |
入院保険金日額 | 5,000円 | 5,000円 |
通院保険金日額 | 2,000円 | 2,000円 |
手術保険金 | 最高20万円 | 入院日額×倍率 (10倍、20倍または40倍) |
乗継遅延費用 | 2万円 | 2万円限度 |
出航遅延・欠航・搭乗不能費用 | 1万円 | 2万円限度 |
手荷物遅延費用 | 1万円 | 2万円限度 |
手荷物紛失費用 | 2万円 | 4万円 |
空港ラウンジを利用できる
ANAワイドゴールドカードを保有すると、国内の主要空港、およびハワイ ホノルルの空港内にあるラウンジを無料で利用できます。
ラウンジ内ではソフトドリンク、休憩スペース、Wifiなどが用意されており飛行機出発までの時間を快適にお過ごしいただけます。
軽食などは基本有料で、航空会社ラウンジと見劣りする部分は若干ありますが無料で利用ができるのはおすすめのポイントです。
利用当日は飛行機への搭乗を証明できるものと、カード本体の提示が必要なため忘れることないようにご注意ください。
JCBのみ世界中の空港ラウンジが利用可能
ANAワイドゴールドカードのJCBブランドを保有すると、上記で説明したラウンジとは別にラウンジ・キーと呼ばれる特典が付与されます。
ラウンジ・キーは、世界各地の空港にあるラウンジへ1回US35ドルで利用ができるサービスです。
1,400箇所以上の空港で利用ができるため、海外旅行や出張へ頻繁に出かける方にはおすすめの特典です。軽食やアルコール、シャワーなどが用意されたラウンジもあります。
実際に利用ができるラウンジンについては、公式ホームページを参考にしてみてください。
ANAワイドゴールドカードのメリット
バランスが取れたカード(JCBのみ)
ANAワイドゴールドカードのJCBブランドは、マイル移行手数料が無料、楽天EdyやApple Pay、Google Payが使えるなど非常にバランスの取れたカードです。
またJCBカードでは、ハワイで「ワイキキトロリー」に無料で乗車、提携店で割引や優待が受けれるなど、独自のサービスを展開しています。
日本国内での利用がメインで、特典などを重要視されたい方はJCBカードがおすすめです。
ANAワイドゴールドカードのデメリット
次に、ANAワイドゴールドカードのデメリットについて解説します。
マイルに関するマイナスポイントがあるのは、必ず確認をしておきましょう。
カード決済でマイルが貯まりづらい
ANAワイドゴールドカードのマイル還元率はすでに解説した通り、1.0%が基本です。
この還元率はANAカードの中では、決して高い還元率とは言えません。
例えば、ソラチカゴールドカード(正式名称:ANA To Me CARD PASMO JCB GOLD)であれば、最大1.5625%の還元率でマイルを貯めることが可能です。
年会費も本会員についてはANAワイドゴールドカードと同じ15,400円、家族カードはより安く2,200円で保有できます。
ANAのマイルを日常の支払いで効率よく貯めたい!と考えている方には、ANAワイドゴールドカードをおすすめすることはできません。
ソラチカゴールドカードの詳細については、下記の記事で詳しく解説しています。
またソラチカゴールドカードは入会キャンペーンを開催中であり、最大230,500マイルも獲得できます。
旅行系の特典も大したことない
ANAワイドゴールドカードは、全日空と提携して発行している旅行や出張が多い方をターゲットとしたカードです。
一方で、旅行系の特典に関してもあまり多くなく、カードのユーザーからはマイナスの声が寄せられています。
以下がANAワイドゴールドカードに付帯している特典の一覧です。
ANAワイドゴールドカードに付帯する特典の一覧
- カード継続時にボーナスマイル付与
- 海外旅行傷害保険・国内航空傷害保険が付帯
- ANA FESTA・ANAショッピングA-styleで5%OFF
- 国内線・国際線機内販売10%OFF
- 空港ラウンジ
- ビジネスクラス専用カウンターでチェックインが続きが可能
ANAワイドゴールドカードの審査事情
ANAワイドゴールドの審査基準は明確にされていないため、僕自身を例にして紹介します。
- 個人事業主1年目
- 年収400万円ほど
- 借入50万円ほど
※クレカのリボ残高 - 6ヶ月以内クレカの延滞なし
上記のような状況で申込みし、発行することができましたので、ANAワイドゴールドの申し込みハードルは比較的優しいと言えます。
ちなみに、ANAワイドゴールドカードの審査に落ちても、6ヶ月経てば審査落ちの記録は完全に消えるため、気になっていたら申し込みしてみるのをおすすめします。
審査に通りやすくなるコツ
ANAワイドゴールドカードに限った話ではないのですが、クレジットカードの審査に通りやすくなるコツを紹介します。
- キャッシング枠をつけない
- 申し込み時に空欄を減らす
- 借り入れ等をできる限りなくす
- 同時期に複数枚のクレカを申し込まない
※キャッシング枠が貸金業法により審査に通過しづらくなる可能性があります
この4つを心がけるだけでも、審査通過率は変わります。
ショッピング枠を決定する場合と法律が違うのですが、キャッシング枠をつけると一般的には審査ハードルが上がります。
ANAワイドゴールドカードにまつわるFAQ
最後に、ANAワイドゴールドカードに関するよくある質問をQ&Aの形式で解説します。
Visa / Mastercard / JCB どれがいい?
年会費やマイルの還元率はどの国際ブランドも変わらないため、日本国内の利用がメインであれば旅行傷害保険が充実しているJCBブランドがおすすめです。
一方で、海外での利用をメインで考えるのであれば加盟店数が多い、VisaかMastercardをおすすめします。
またすでにクレジットカードをいくつかお持ちの方であれば、保有していない国際ブランドから選択をするといった方法も、選び方のひとつです。
いろいろな国際ブランドカードを保有することで、カードが使えないといったケースを回避できます。
SFCの設定はできる?
SFCの設定ができるクレジットカードは以下の通りで、ANAワイドゴールドカードは対象外です。
スーパーフライヤーズカード カードラインアップ
- ANAスーパーフライヤーズカード(一般カード)
- ANAスーパーフライヤーズ ゴールドカード
- ANAダイナース スーパーフライヤーズカード
- ANAアメリカン・エキスプレス スーパーフライヤーズ・ゴールド・カード
- ANA JCBスーパーフライヤーズカード プレミアム
- ANAダイナーススーパーフライヤーズ プレミアムカード
- ANA VISAプラチナ スーパーフライヤーズ プレミアムカード
- ANAアメリカン・エキスプレス スーパーフライヤーズ・プレミアム・カード
SFC(Super Flyers Card)とは、ANAの利用実績に応じて獲得できるステータスで、条件を満たし「ダイヤモンドサービス」メンバー、「プラチナサービス」メンバーとなると、会員資格が付与されたクレジットカードを発行できます。
ANAワイドゴールドカードを保有し、会員資格を満たすようになった際には、上記のクレジットカードへの切り替え手続きをおすすめします。
まとめ:ANAワイドゴールドカードは改悪で持つ価値なし
ANAワイドゴールドカードの改悪情報のまとめ、カードの特徴などについて解説をしました。
結論を申し上げると、やはりANAワイドゴールドカードは保有する価値のないクレジットカードと断言できます。
今から新規で申し込みを行うのであれば、年会費も同じでマイルの還元率が高いソラチカゴールドカード、特典重視のカードであればANAアメリカン・エキスプレス・ゴールド・カードなどがおすすめです。
クレジットカードは一度申し込みをすると、年会費の発生、解約・変更手続き等も発生するため、申込時にメリットのあるカードであるかしっかりと確認をしていきましょう。